起動ディスク(DOS)でPCカードを使う方法
PCMCIAカードを利用するには、どのようなOSの場合でも、以下のようなドライバが基本的に必要である。起動ディスク(MS-DOS)で利用するには、当然それぞれにDOS用ドライバが必要だということだ。
PCカードコントローラ(ハードウェア)とカードサービスの間にあって,PCカードコントローラを直接ドライブするとともに,PCカードコントローラのメーカーによるインターフェイスの違いなどを吸収する役割を担っている。そのため,ソケットサービスは,PCカードコントローラごとに用意される。
ハードウェア寄りのソケットサービスと,OS寄りのイネーブラソフトウェアの間にあって,PCカードが使用するシステムリソース(メモリ領域,割り込みなど)を管理する役割を担うもの。
リソース管理は別ドライバの「リソースマネージャ」に任せる場合が多いが、総称してカードサービスドライバと呼ぶらしい。
カードサービスとアプリケーション(OSを含む)の間にあって,各種のカードごとに必要な設定をカードサービスに対してリクエストする役割を担っている(これを特に「カードサービスイネーブラ」と呼ぶ場合もある).(カードサービス)イネーブラには,汎用的に使用することができる「コモンイネーブラ」や,Ethernetカード用,SCSIカード用といった専用イネーブラの2種類がある。
MS-DOSをサポートOSから外してるNEC NXのノートパソコンなどは当然そのようなものは添付されていない。ということはNXでは絶対DOSでPCカードを使うことができないのだろうか? 実はそうではない。
前述のイネーブラには、カードサービスやソケットサービスを経由しないで、直接PCカードをドライブする、『ポイントイネーブラ』と呼ばれるものがある。これはカード側に添付されるものだ。これを使ってカードサービスなど無しで、PCカードをドライブできる。ただしあらゆるPCカードコントローラに対応している訳ではないので、運次第だ。それにあらゆるPCカードに添付されている訳でもない。
もしカード側にポイントイネーブラが添付されており、さらに手持ちのノートパソコンが使っているPCカードコントローラに対応していれば、このドライバ一つでPCカードを駆動できるので、かえって楽である。因みにポイントイネーブラを『ダイレクトイネーブラ』と呼ぶこともあるようだ。
実際のPCカードでDOSドライバ群をConfig.sysで指定してSCSIデバイスやネットワークにアクセスしている例を紹介しておこう。PCカードや周辺機器と直接関係ないデバイス文は省略してある。
[rex5536の場合(SCSI)]
DEVICE=PCMSS.EXE (ソケットサービスドライバ) DEVICE=PCMCS.EXE /WAIT=12 /ADDR=D3 /IRQ=10 (カードサービスドライバ) DEVICE=PCMATA.SYS /ADDR=D4 /SRAM (リソースマネージャ?) DEVICE=PCMSCD.EXE /COM=2 /LANIRQ=11 (イネーブラ) DEVICE=ASPI5536.SYS /PORT=300 /SOCKET=0 (ASPIマネージャ) DEVICE=ICMCD.COM /D:PCMCIACD (CD-ROMデバイスドライバ) DEVICE=ICMDISK.SYS /D1 (リムバブルディスクデバイスドライバ) |
[MIRACLE SCSIの場合(SCSI)]
DEVICE=SS365.EXE (ソケットサービスドライバ) DEVICE=CS.EXE (カードサービスドライバ) DEVICE=CSALLOC.EXE (リソースマネージャ) DEVICE=CARDID.EXE (イネーブラ) DEVICE=MPS110.SYS (ASPIマネージャー) DEVICE=MIRA_CD.SYS /D:MSCD001 (CD-ROMデバイスドライバ) |
[Panasonic CF-JCS201の場合(ATAPI)]
DEVICE=PCMSS.EXE (ソケットサービスドライバ) DEVICE=PCMCS.EXE (カードサービスドライバ) DEVICE=PCMRMAN.SYS (リソースマネージャ) DEVICE=PCMSCD.EXE (イネーブラ) DEVICE=PCMCDSND.SYS /I:10 /P:240 /D:PCMCD001 (CD-ROMデバイスドライバ) |
[NEC LaVie NX LB400J/12D PCI FNW-3700-Tの場合(LAN)]
DEVICE=LANEN.EXE (ポイントイネーブラ) DEVICE=A:\WGC\protman.dos /i:a:\wgc DEVICE=A:\WGC\workgrp.sys DEVICE=A:\WGC\LE120.dos (LANドライバ) |